父の葬儀が終わって、まず思ったのは、
「やること、いっぱいあるなー」
でした。
父が亡くなったあとには、銀行や相続だけではなく、電気、水道、テレビ、ネット、カード、携帯など、父名義になっていたものを一つずつ整理していく必要がありました。
実家の生活費の多くは父のカードで支払い、その引き落とし先も父の銀行口座でした。
一方で、アパート関係のお金は生活費とは分け、別の父名義の口座で管理していました。
姉は相続や銀行、土地、保険などの手続きを中心に進め、私はネットやパソコンを使う手続きを担当。
最初から細かく役割を決めたわけではありません。
得意なことが違ったので、自然とそうなっていきました。
今回は、父が亡くなったあと、父名義だった銀行口座や生活に関わる契約を、わが家でどう整理していったのかを書きます。
前の記事では、家族葬に実際いくらかかったのか、ホームページで見ていた58万円のプランから、なぜ最終的に約223万円になったのかを書いています。
→ 「家族葬はいくらかかった?ネットでは58万円、実際は約223万円だった父の葬儀」
葬儀の打ち合わせが終わったあと、ATMへ行った
父が亡くなったその日。
葬儀の打ち合わせが終わったあと、これから葬儀でまとまったお金が必要になるだろうと思い、母と銀行のATMへ行きました。
まず100万円を下ろそうとしました。
でも、できませんでした。
もう一度100万円。
これもできません。
「100万円がダメなんじゃない?」
となり、今度は50万円にしました。
それでもダメ。
最後には、窓口へ問い合わせるような表示が出ました。
母は、
「暗証番号は合っとるはずなんよ」
と言っていました。
セキュリティー上はもちろんおすすめできませんが、通帳の端には母が分かるように小さく暗証番号が書いてありました。
母には、以前100万円を下ろせるように限度額の手続きをした記憶もありました。
ただ、暗証番号について母の勘違いがあったのか、限度額の問題だったのか。
結局、何が原因だったのかは分からないままです。
その日はもう窓口も閉まっていました。
すると母が、
「次の日になったら、また使えるようになっとるんじゃない?」
と言いました。
私は、
「一回使えなくなったものが、次の日になったら戻る?」
と思いました。
でも、母は以前銀行で働いていました。もちろん勤めていた銀行は別ですし、昔と今で仕組みも違うかもしれません。
それでも、
「本当? じゃあ明日もう一回行ってみようよ」
となりました。
翌日は通夜の日でした。
姉にも、
「昨日こういうことがあってね。私じゃ分からんけ、母さんに付き添ってみて」
と経緯を話しました。
今度は姉と母で確認してもらいましたが、やはりお金を動かすことはできませんでした。
そこで、それ以上ATMを触ることはせず、銀行で正式に相続の手続きを進めることになりました。
葬儀費用は、別の口座にあったお金から支払いました。
ATMが使えなかった理由は、今も分かりません。
父が亡くなった当日のことで、銀行へ父の死亡を知らせたわけでもありませんでした。
父名義だった生活費を、母のものへ切り替えた
父が亡くなったあと、実家の支払いを確認すると、日常生活に関わるものの多くが父名義になっていました。
普段の買い物は近くのスーパーですることが多く、その支払いには父のカードを使っていました。
カードの引き落とし先も父の銀行口座です。
電気代などもそのカードから支払い、水道料金は銀行口座からの引き落としでした。
こうしたものは、母の意向に沿って、母の口座やカードへ順番に切り替えていきました。
一方で、父の口座については、母が相続するための手続きを進めました。
わが家では、父の口座に残ったお金は基本的に父に関係することに使い、普段の生活費とは分けて考えることにしました。
一つの手続きが、その日だけでは終わらない
特に面倒だったのが、ネットを使った契約変更でした。
母はIDやパスワードなどを比較的きちんと残しているタイプなので、
「ログイン情報が何も分からない」
ということは、あまりありませんでした。
それでも、IDとパスワードは合っているのに2段階認証で止まる。
登録されている電話番号が古い。
メールアドレスがもう使えない。
認証できない場合は、書類を郵送してもらってから続きをする。
そんなことが何度もありました。
電気の手続きも、案内されている方法に沿って進めました。
父側の支払い方法を変更し、それが反映されたことを確認してから、あらためて母のアカウントを作って契約を登録する。
名義を変更する場合はそのように手続きするよう案内されていたので、そのとおりに進めたのですが、これがなかなか面倒でした。
「あれをやって、反映されたら次はこれ」
「書類が届いたら、また続きをする」
というものが結構あります。
一つ進めても、その日のうちには終わりません。
そのうち、
「これも途中、あれも途中。今日だけで終わらないんじゃん」
という手続きが増えていきました。
電気の契約名義や支払い方法を変更する場合は、契約している電力会社の案内を確認すると手続き方法が分かります。
テレビの解約電話で、月2,000円の知らない契約が出てきた
実家では、リビングのテレビと父の部屋のテレビ、それからインターネットを同じケーブルテレビ会社で契約していました。
父の部屋のテレビを解約するため、明細を見ながら電話をしていた時のことです。
その中に、何の料金なのか分からない引き落としがありました。
「これって何の引き落としですか?」
と聞くと、有料チャンネルの契約だとのこと。
ただ、家には契約しているテレビが2台あったので、
「どっちのテレビで契約してますか?」
と聞きました。
すると、
「チューナーの端の方に番号があるの、分かりますか?」
と案内されました。
父の部屋へ移動して、
「あります、あります」
と番号を確認。
その番号を読み上げると、
「この番号のテレビで契約されています」
とのことでした。
「あぁ、こっちです、こっちです。これ解約してください」
となりました。
海外系の名前だったので、
「これ、野球とかが見られる番組ですか?」
と何となく聞いてみると、
「ドラマなどですね」
との説明でした。
「えー、絶対見てなかったよね」
「月2,000円も? めっちゃ無駄だったじゃん」
家族みんなでびっくり。
いつ、どういう理由で契約したのかは分かりません。
父の部屋のテレビと一緒に、その有料チャンネルも解約しました。
チューナーについては、年が明けてから回収に来てもらいました。
電話では回収時に3,000円ほどかかると聞いた記憶がありますが、母によると、実際には費用はかからなかったそうです。
同じ会社でも、テレビやネットの契約、オプションサービスの解除、支払方法の変更など、それぞれに手続きがあります。
NHKの受信料も、ケーブルテレビの料金と一緒に支払っていました。
名義変更について尋ねたところ、ケーブルテレビ会社からは、NHKへ直接連絡するよう案内されました。
相続や銀行関係は、姉が中心になって進めてくれた
相続関係は、ほとんど姉が調べてくれました。
姉は仕事でも相続に関係することに触れることがあるようで、銀行、土地、保険など、少し複雑なものを自然と担当してくれました。
私はパソコンやネットを使う手続きの方が得意なので、そちらを担当。
姉は少し離れたところに住んでいたので、手続きが始まってからは、細かいことも積極的に共有するようになりました。
実家に届いた郵便物や、かかってきた電話の内容は私から姉へ。
相続関係の書類が姉のところへ届けば、
「これが届いたよ」
「次はこれをするよ」
と姉から連絡が来ます。
誰が何をしたのか、今どこまで進んでいるのか。
お互いに分かるようにしていました。
そして最初の段階から姉は、
「こういうのは3人で動くよ。その方が早いから」
と言っていました。
父の相続人は、母、姉、私の3人です。
全員で行けば、署名や確認が必要になった時にも、その場で対応できます。
姉の仕事の都合に合わせて3人とも動ける平日を作り、市役所や銀行などをまとめて回りました。
遺産分割協議書を書き間違えて、私はコンビニへ走った
相続のために、姉は遺産分割協議書も作ってくれていました。
遺産分割協議書は、相続人全員で話し合って決めた「誰がどの財産を相続するのか」を書面にしたものです。
法務局では、遺産分割協議書の記載例も公開されています。
姉も書き方を調べたり、ChatGPTに確認したりしながら作ったそうです。
その書類に母が記入していた時のこと。
住所を書く欄に、間違えて名前を書いてしまいました。
姉が、
「じゃけ、ちゃんと確認して書いてよって言ったじゃん」
と一言。
相続関係では、書き間違えたくない書類が何度も出てきました。
母が何度か書き間違えるのを見ていたので、私も人の振り見てではないですが、自分が書く時にはかなり慎重に確認しました。
幸い、姉は遺産分割協議書のデータをUSBに入れて持ってきていました。
「コンビニならUSBから印刷できると思うよ」
と言うと、
「本当?お願い」
母と姉がほかの手続きをしている間に、私はコンビニへ走りました。
無事に印刷でき、その場で書き直すことができました。
遺産分割協議書には、3人で署名や押印をし、割り印や捨て印もしました。
姉が事前に準備してくれていたこともあり、家族の意見も分かれていなかったので、相続の手続きはかなりスムーズに進みました。
相続のために、初めて実印を作った
12月27日、3人で手続きについて整理していた時、
「相続で実印がいるよ」
と姉に言われました。
私はそれまで実印を持っていませんでした。
そこで、その場でネット注文。
サイズが分からなかったので、銀行員として働いている親族に聞きました。
「20ミリはちょっと大きいかもね」
「本当? 15ミリでちょうどいい?」
そんな話をしながら、15ミリを選びました。
黒水牛の印鑑に、黒もみケース。
「昔は実印なんて何万円もかけて作ったのにね」
なんて話していたのですが、翌日には届きました。
しかも、思っていた以上に立派。
保証書まで入っていて、
「これで十分すぎるね」
と驚きました。
市役所へ手続きに行った日には、その印鑑を印鑑登録しました。
その後、銀行や不動産の相続手続きなどで、実印や印鑑証明書が必要になる場面が何度かありました。
この実印については、実際に購入した商品、15ミリを選んだ理由、注文してから届くまでのことも、別の記事で詳しく書こうと思います。
ほとんど整理した中で、父の携帯だけは残した
父名義のものは、必要に応じて解約したり、母へ変更したり、相続の手続きを進めていきました。
ただ、父の携帯電話だけはすぐに解約しませんでした。
父に連絡を取りたい人が、まだいるかもしれないと思ったからです。
実際、比較的早い時期に、父の昔からの友人から電話がありました。
母も知っている人でした。
数年前、その方がこちらへ遊びに来た時には、父と母と3人で牡蠣を食べに行ったこともあるそうです。
それを聞いて、
「お父さん、仲のいい友達いたんじゃん」
と思いました。
父が精神的に落ち込んでいた頃、私は、もっと話せる人がいたらよかったのにと思っていました。
父は妹ともよく電話をしていましたし、実際にはこうして連絡を取り合っていた昔からの友人もいました。
その方自身も数年前に病気をされたそうで、父と通じるところもあったのかもしれません。
もっと生きているうちに、たくさん話せていたらよかったのにな。
そんなことを思いました。
携帯を残していたからこそ、その連絡を受けることができました。
約3か月で、ほとんどの手続きがひと段落した
相続や名義変更を進めていると、いろいろなところで、
「早いですね」
と言われたそうです。
姉には、確定申告のこともあるので、できれば3月までには整理しておきたいという考えがありました。
必要な書類をそろえ、3人で動ける日を作り、できるものから順番に進めていきました。
相続について家族の意見が分かれることもなく、必要な書類も比較的そろっていたため、父が亡くなってから約3か月で、ほとんどの手続きがひと段落しました。
私は、手続きの内容を全部理解して進めていたわけではありません。
相続や銀行関係は姉に言われるまま動いていたことも多く、情報量も多かったので、今となっては細かいところまで覚えていないものもあります。
それでも、姉が複雑な手続きを進め、私はネットやパソコン関係を担当し、母を含めた3人で細かく情報を共有しながら進めたことで、一つずつ終わらせることができました。
そして実際にやってみて大変だったのは、手続きの数だけではありませんでした。
一度申し込んだら終わりではなく、
「反映を待つ」
「書類が届くのを待つ」
「届いたら、また続きをする」
というものが本当に多かったです。
全部を一人で把握するより、それぞれが得意なことを担当して、今どこまで進んでいるのかを共有する。
わが家では、それが一番進めやすいやり方でした。
父が亡くなったあと、年金事務所にも3人で行きました。そこで初めて、父が残してくれていた年金や、これから母が受け取るお金のことを具体的に知りました。
次は、その時に説明を受けた遺族年金のことと、父が元気なうちに準備してくれていたものを見て、私自身の働き方まで考えるようになったことを書きます。

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